WEBでモノを売るということ

ECディレクターが考えるこれからのwebビジネスについて

こんにちは!
ECディレクターの岩下創です!

この前1年ぶりに家族でディズニーランドに行ってきました!
久々に行ってみると改めて、ディズニーランドのすごさを感じました。
年々入場料は上がり、あんなに原価率の低そうな割と値が張る飲食やグッズを売っていても、アトラクションに乗るためには1時間以上待つのが当たり前でも、それでもみんな最後には「また来たいね」と言っている…
あの魔力はどこから来るのでしょうか?

そんな熱狂的なファンを持つディズニーランドのリピート率90%以上といわれています。
確かにディズニーランドに来ている人に「ここに来たの何回目ですか?」って質問したら「初めてです!」と答える人の方が少なそうなのでそこまでびっくりしないかもしれないですが、一般的に考えたらリピート率90%ってヤバくないですか?

少しでも自分の店舗がそうなったらいいですよね。

…ということで今回はお客さんにいかにリピートしていただけるかECの世界では「追客」と呼ばれる施策についてお話していきます。

ECの中で圧倒的に大切で目立つ指標は前に記事でご紹介した「集客」についてですが、実はそれと同じ、場合によってはそれ以上に大切なのがこの「追客」です。

ではなぜ「追客」が大事なのか?

まずはそこから詳しくご説明します!

お金で集客をし続けても利益が生まれない!?

例えば100万円の広告を使ってお客さんが今までの2倍来てくれたとします。
そのおかげで普段1,000万円売り上げる店舗で売り上げ2,000万円になりました。
金額的にはかなり大きな儲けになっているように感じます。

ただ、ここから仕入れ金額、システム利用料、事務所の家賃や人件費など様々な費用が差し引かれます。
通常、小売業で最後に残る金額は平均3.5%ほど(経済産業省集計)と言われているのですが、
ECの場合経費がもう少しかからないので5%とした場合、売上2,000万円の5%と考えれば手元には100万円残ります。
ですが、ここで思い出してください。100万円って今回の販売に使用した広告費と同じ金額ですよね…。
つまりこの時点で儲けは差し引き0円ということになってしまうわけです。

これはあくまでも分かりやすいように会計の順番とかをずらして極端な例にしていますが、広告費は最終的に残る利益を少なからず圧迫するということは分かっていただけるかと思います。

こうして利益を削ってまで広告を出しても、まったくリピートがなかった場合、お金をかけないと売上は元に戻ってしまい、また利益を削って集客をして目先の売上を追いかけなくてはならなくなります。

しかし、もしリピートのお客様が多い店舗の場合はどうでしょうか?
リピートをしてくださるという事は、もうそのショップや商品の事をお客さんが知っていて、自分から訪ねてくるため広告費がかかっていません。さらに毎回新規のお客様の数%がリピーターになる見込みがあれば広告を使ってその時は利益が出なくても2回目以降のご購入で利益を回収できる計算の目途が立ちます。

このように、追客がしっかりできていれば徐々にコストをかけずに集客をすることができ、店舗の売り上げと利益を成長させることができるのです。

例外として、ブライダル系の商品や大きな家具などリピートが望めない場合は他の施策が必要ですが、
一度来ていただいたお客様をリピーターに、さらにファンに進めていけるようなアプローチこそが
成長につながるということがお分かりいただけるかと思います。

リピートのコツは4つのF

とはいえどうやってリピートしてもらえばいいのかわからない。。
そんな方に是非覚えていただきたいのが、以下の4つのFです。

①follow(フォロー) 追随
②friendship(フレンドシップ) 親しみ
③feature (フィーチャー)注目
④favoritism(フェイバリティズム) えこひいき

一つずつ説明していきますね。

follow(フォロー)
ご購入いただいたお客様に追随して次の一手を打つことです。
自分にとっては大切なお店ですが、大体のお客さんは、いちいちどこの店舗で買ったかなんて覚えていない事が多いです。
とても良い買い物をしたとしても、店舗名までしっかり覚えているお客さんの方が少ないのではないでしょうか?

なので、リピートしてもらうためには、まずこちらからアクションを起こして思い出してもらうようにしましょう。
やっている店舗さんにとっては当たり前のことですが、1週間後くらいに「商品は無事届きましたか?」とフォローメールを送ったり、次回使えるクーポンを付けるのも良いと思います。
その他にも商品と一緒にお客様におまけのアイテムやメッセージカードなどを付けるなども良いと思います。
店舗の名前を憶えてもらうという意味では、クリアファイルやスマホの画面クリーナーなど日常的に使用するアイテムに店舗名などを記載して、お客さんの目に常に触れるようにする。なんていう事をしている店舗さんもいらっしゃいます。
あるブーツ屋さんでは、商品を購入すると1年後に新しいブーツのひもを送るそうです。ブーツの紐は摩耗しやすく、調達も面倒なので、その心遣いに関心を持ち、次もそこで購入しようというお客様が多いそうです。
このようにやり方は様々ですが、お客さんをフォロー(追随)して、まずは思い出してもらえる努力をしましょう。

friendship(フレンドシップ)
突然ですが皆さんは行きつけの美容院はありますか?
たぶん毎回別のところを利用しているという方の方が少数派ではないでしょうか?

僕もいつも同じところで髪を切っています。たぶんもっと近くにもっと安いお店ができても、そこではなく同じ美容室に行ってしまうと思います。
なぜか?もちろんスタイリストの腕を信頼しているのもあるのですが、「親しみ」の部分も大きいのではないでしょうか。
気が合うスタイリストなら要望も聞いてもらいやすいし、なんといっても、サービスの質がわかっているので安心感があります。

人は『結果が保証できない』というリスクを持ちたがらないので、結果的に信頼があるサービスを使う傾向にあります。

ECも同じで、「このお店なら大丈夫だ」「今回もこのお店で探そう」と思ってもらうことが大切です。
たとえば、商材についての店長の専門知識や、使い方のノウハウをメルマガやブログなどで紹介するなどサービスのクオリティを信頼してもらい、安心感と親しみやすさが感じられる施策が効果的です。

feature フィーチャー
フィーチャーとは「注目」ということです。
商品を購入しているお客様は自分たちが考えている以上に注意力散漫です。
自分に置き換えてみても商品を検索してずらーっと並んだ候補の商品から、たまたま一つ商品を選んだだけなので、
そこまでお店の事は理解していません。
そこで店舗の特徴(このお店で購入した時のメリットや他店との違い)に注目してもらいましょう。
専門店の実績やアフターフォローへのこだわり、なんでも良いです。さらに、名刺代わりになる一押しの商品があればそれも紹介しましょう。
お試し商品としてやや低価格に設定するなんて言うのも面白いですね

favoritism フェイバリティズム
最後は「えこひいき」です。
ずっと述べてきた通り、もう一度来てもらうお客様はとても大切なので、徹底的に依怙贔屓しちゃいましょう。
例えばフォローメールに次回使えるクーポンを付けたり、もしお使いのシステムのカゴ機能に会員ランク設定を設けられるとしたら実施を検討しましょう。
リピートして買っていただけるお客様を優遇することで、お客さん側にもそのお店で購入し続ける明確な理由が生まれます。クーポンや会員ランクの他にも、会員ポイントを付けたり、一定の購入額に達した際にプレゼントを贈るなど、やり方は様々です。

リピート率を見よう

最後に、あなたのお店のお客さんが何割くらいリピートしてくれているのか、リピート率を出すことで把握しておきましょう。
リピート率の計算式(月間の場合)は以下です。
月間リピート顧客数(人)÷累計新規顧客数(人)×100
楽天やヤフーではリピート率は細かくチェックできますし、受注システムを使えばかなり細かい数値も調べる事ができると思います。
意外と店舗さんの中でも、アクセス数などはよく見ているのですが、リピート率となると、あまり真剣にチェックをしていないケースがありますので、ぜひ欠かさずに確認してみてください。

今日は追客の重要性、コツについてお話しました。
せっかく商売をやっている以上は、沢山の人に長く愛されるそんなお店でありたいですね!
今回の記事で実行できそうなことがあれば、ぜひ参考にしてみてくださいね!

それでは!!

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岩下 創

【株式会社BACKPACK代表 ECディレクター、ライター】 東京都出身。食品会社、自動車部品会社での勤務を経て、株式会社SEETHELIGHTに入社。メンズファッションECサイトの運営、クリ...

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